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新潮社
グループ:Book
ランキング:14934
価格:¥ 1,365
発売日:2008-07-16
在庫あり。
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カスタマーレビュー ![]()
事件の詳細
(2009-11-29)
発生当初から気になっていた事件。
迫る描写に圧倒されて読み進めました。
捜査から犯人逮捕、裁判まで、被害者(正確には遺族)である本村さんの近くで取材していた著者による3000日の記録です。
一番印象に残っているのは、事件後何もする気がなくなり辞表を出しそうになる本村さんに対し、上司が言った言葉。
「社会人たりなさい。労働をし、納税をして社会にものをいいなさい」と。
扱う対象が深く、内容もシビアなため、途中でなかなかやめることができません。
読み終えてもしばらくはその衝撃ゆえ、動悸がするほどでした。
お二人のご冥福をお祈りいたします。
ジャーナリストを見直した
(2009-10-01)
今、読み終わった。久しぶり、いや10年以上ぶりかもしれない。一気に読めた本は。いわば、極悪非道な犯罪者が死刑になるべき、いろいろんな人が努力する、そんな簡単なストーリーのはずが、エピローグにいたって、何か、ハッピーエンドの物語を読み終わったような、いやされた印象で終わることができるのは、ストーリーテリングの妙と、著者が単に悪を憎むと言う勧善懲悪に染まらない、あるいは、どこかで、人間を信じていることの心情を感じたからに他ならない。
Fの本心は本にも分からないのだろう。人間の心情はそんな簡単なものではないのかもしれない。しかし、裁判は、ひとつの社会的規範の最大公約数であり、パターンにはめることで、社会のバランンスがとれるのだと思う人も、少なくない。
ジャーナリストという職業をみなおすキッカケとなった。今の社会ではたすべき役割が少なくないことを、この本は教えてくれる。
運命という簡単な言葉では語れないと思いました。
(2009-08-10)
こんなに泣いた本は飯塚訓氏の「墜落遺体」「墜落現場」以来でした。
事件の概要は知っていたものの、被害者遺族の本村さんがこれほどまでに
辛く、悲しい道をたどっていたとは…。
著者は出版社勤務から独立して最初の著書とのことでしたが、
よく取材をされていて、書かれているなぁと感心しきりです。
きっと本村さんも、心を許された数少ないメディア関係者なのでは?
死刑存廃云々について詳細は書かれていませんが、比較的公平な立場で進められている
感じです。(多少、本村さんの事件前、事件後の感情、行動については
脚色されてる??ようにも感じましたが…)
「君は社会人たりなさい」…本村さんの会社の上司が投げかけたこの言葉。
最も琴線に触れた言葉の一つです。「労働も納税もしない人間が何を言ってもそれは
負け犬の遠吠えだ。君は社会人たりなさい」
こんな上司を持つ本村さんは、なんと恵まれているのか。
筆舌に尽くしがたい経験をしたことが「運命」なら、このような素晴らしい上司のもとで
働けるのもまた「運命」。
ただ、「運命」なんて俗な表現では言い表せられないものを訴えかける本だと思います。
久々に良い(事件の内容が内容だけに、「良い」といっていいのかはわかりませんが)
本に出会えたと思いました。
一種の “読み物” だと思って読む方が。。。
(2009-07-03)
自分は,冷静に,客観的に,丹念に描かれたルポルタージュだと期待してよんだので,「もう1つ」と感じました。
著者は,本村さんとずっと近い位置にいた人のようで,きっと,人間的にあったかみのある素敵な人なのでしょう。
近い関係の人でなければ描けないような描写も多々あり,そういう意味で価値のある本だし,大変な労作だと感じます。
ただ,この手の本で,主観と客観を,事実と主張とを,わざとぼかすような書き方は反則だと思います。
(もちろん,完全なる「客観的事実」などは存在しませんが,そこを丁寧に切り分けようと努力するのが,ものを書く人間としての誠意だと思います。)
基本的には,感情に訴える,週刊誌的な文章です。
一種の“読み物”だと思って読む方が,誰にとってもハッピーだとおもいます。
(ちなみに,私はこれを読んでいて涙しました。)
※ 念のため,本当に念のため書きますが,ここに書いたのはこの「本」に対しての私の評価であり,著者そのものに対するものでもなければ,ましてや,光市の事件に関連するさまざまな社会問題や事件の関係者や,はたまた事件そのものに対してでもありません。
死刑の持つ意味を考えさせられる
(2009-06-24)
大変読み応えのある内容でした。
死刑を宣告された時、犯罪者は本当の意味で、苦しみながら死んでいった被害者の気持ちに、近づけるのかもしれない。自分は死ぬかもしれない、殺されるかもしれない、そう感じた被害者の気持ちである。
死刑を宣告されることで、本当の反省や後悔が加害者の中で芽生え、死の恐怖を味わった被害者のことを真摯に考えることができるようになるのだ。
人は死を意識しないと、死と非常に近い距離で向き合わないと、本心に立ち返れないのだ。
そしてそれができた時、真の悔い改めが生じる・・・
死刑判決は、犯罪者を人の心を持つ一人の人に立ち返らせ、人間が本来持っている命の尊さや大切さをもう一度感じる、全うな人間にするのである。
刑が処された時に、人は許されるのではない。
真の悔い改めが生じた時、すでに許されているのである。
死刑判決を受けた者が、頑なで無情な犯罪者としてではなく、死と向き合った者だけが持てる、命の尊さを真に理解した、愛情豊かな一人の人として死んでいくようにさせること、それが死刑の持つ本当の意味ではないだろうか・・・
これが私なりのこの本を読んでの考えです。

