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深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫) - 和書 - ペットのセレクト通販
アイテム詳細
新潮社
グループ:Book
ランキング:7288
価格:¥ 420
発売日:1994-03
在庫あり。
このページのURLは
http://pet-select-shop.com/asin/Books/4101235066/
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カスタマーレビュー ![]()
われわれ「若者」の旅の指南書
(2010-02-02)
作中に記述がある田中角栄が、列島改造論を声高にまくしたてていたころだから、時代は35年以上前のようだ。
沢木 耕太郎の旅は、まずは降り立った駅の繁華街を目指すことから始まる。繁華街には安宿があるからだ。
宿探しの過程で、すでにその国の人々と触れ合うことにより、新たな国での旅がスタートしている。
そして、やっと見つけた宿が「娼婦の館」だったり「売春宿」だったりと、旅話がとたんに人間くさくなり、彼の旅に対し親近感を持つことになる。
沢木が放浪したバンコクもペナンにも、まだま英語が話せる人が少なく、現地語を習得せざるを得ない環境下で、さまざまな出会いを通じて生きた言語を学んでいく。つまり、日々の生活そのものが旅であり貴重な体験であると、暗に沢木は示唆しているのである。
35年前の海外旅行といえば、「ノーキョ−さん」と各国で揶揄された団体客が、有名観光地を一巡し、おしきせの旅行で満足していた時代だが、すでに27歳の沢木 耕太郎はそのころに、奥深い自分流の旅を見出していたことになる。
深夜特急はいまだバックパッカーのバイブルとして、日本の「若者」たちの支持を得ているが、今回買った深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール も94年の初版からすでに50刷になっている。
われわれ「若者」の旅の指南書として、今後も愛読し続けたいシリーズである。
いいね
(2010-01-17)
大小のところとか
多分フィクションだけど
面白いね。
「わからない」からこそ旅をする
(2009-07-26)
第2巻はようやく香港を離れ東南アジアへ。第1巻と違いマレー半島を一気に南下するため、人や場所との出会いがテンポよく描かれ、まるでロードムービーを見ているような感覚で読める。また、旅人が「金が無い」と言って断ることについて長々と考え込んだり、自分がなぜこの旅を始めたかということに初めて向き合うなど、香港の幻影を求めては落胆し、ややテンションが下がっているせいか、内省的な、いい意味で言えば沢木の心の動きを丁寧に追った巻とも言える。
特に169ページからは、心に書き留めておきたいような、重く響くような述懐が続く。自分でもよくわからないからこそ、沢木は言葉を尽くして、回想と解釈のループを繰り返して、何とか納得のいく答えのようなものをねじり出そうとしている。旅先で世界一周をしている人に「日本に帰ったらどうする予定なんですか?」と訊いたことがある。「まぁ、それはその時考える」「よくわからない」だったり、非現実的な答えが返ってきたりして、その曖昧さが自分の心を曇らせた。当たり前だけど、彼らは未来のことなど「わからない」からそこにいて、「わからない」ままそこにいるのだ。その「わからない」の一線はまだ越えられそうにない。
かくも回りくどい、明快な答えなど出ようのない魂の彷徨は、今も昔も人種も国籍も関係なく、バックパッカー普遍のものだ。それを初めて言葉にしたからこそ、『深夜特急』は今も新たな読者を増やしている。
旅は人と出会うために行く
(2009-05-09)
オリジナルは1968年5月リリースの『深夜特急 第一便』。本書はその後半部分を文庫化したもので、1994年3月25日リリース。文庫化の巻末には俳優高倉健氏との『死に場所を見つける』と題する1984年1月に掲載された対談が加えられている。この対談が本編と並ぶくらいに面白くて、文庫版をこの部分だけでも手にとって読む意味はある。
第二巻は『マレー半島・シンガポール』である。ぼくは10年ほど前にマレーシアを夏休みに一週間かけて車で縦断した経験があるので、特に興味深かった。ぼくの印象に最も残ったマレーシアはこの本にも乗り合いタクシーの部分で出てくるが『スピード狂』である。国民総スピード狂ではないかと思うほど、恐ろしいスピードでかなり古い車が文字通り飛び回っていた。バスを乗り合いタクシーが追い抜くシーンはそれと重なってしまって思わず頷いてしまった。
ここまで読んでみて思うのは、旅というのは名跡を見歩くのが楽しいのではなくて、そこにいる人たちと触れ合うことにこそ楽しさがあるのだな、ということだ。特にシンガポールのあたりでそう思った。そしてただただ羨ましい。ホントに羨ましい。そういう本である。
マレー半島 香港・マカオとは一味違う旅の行方
(2009-04-18)
沢木耕太郎の深夜特急シリーズは、バックパッカーの永遠の愛読書と同時に、今なお青春の書の代表のようなものでもあります。
全てを投げ捨てて、気ままな一人旅をしたい、と思ってもままならぬ現実があるわけで、本書を読む人は、沢木の行動に自分の夢を託しているのかもしれません。忙しく生活に追われる現代人にとって精神の開放につながる書籍でしょう。前作の香港・マカオの熱を帯びた文章と比較すれば、少し冷静な沢木を発見します。
アジアでも微妙に国民性が違い、それは、タイ、マレーシア、シンガポールと下るに従ってそれぞれの違いがはっきりしてきます。安宿を探すあまり、ペナンの娼館に泊まり続けるエピソードが興味をひきます。ヒモの生き方の大変さもうかがい知れました。沢木は冒険野郎ですが、このように冷静に人間の優しさ、悲しさを感じ取るという感性の豊かさが読者に心地よいのです。人との関わりを避けるように日本を離れながら、旅人は異国の旅先で人との関わりを持たざるを得ませんし、持つことを欲します。旅の醍醐味と真髄がここに出ているようです。
その昔、本書で描かれたペナン、クアラルンプール、シンガポールを旅行したことがあります。本書を読むとそれがいかに表面的なツアーだったかと思い起こしています。
沢木のような旅は、人々の間に入り込み、同じ食べ物を食べ、生活を一緒にすることで、深くその土地に根付き、その個性を浮かび上がらせます。それゆえ、同じ国でありながら全く違う印象を感じ取りました。
対談の高倉健との「死に場所を見つける」も面白く読みました。寡黙な人というイメージの高倉健が沢木と意気投合して様々な旅について語る話は本編とは別の意味で興味を惹きました。

